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柘植元一教授企画楽器展
 「ひびき・かたち・そざい――東西の改良楽器をめぐって――」
会期: 2004年10月21日(木)〜11月3日(水)
休館日 月曜日
会場: 東京藝術大学大学美術館陳列館
開館時間:10:00−17:00(入館時間は16:30まで)
観覧料: 無料

 「改良」とは文字どおり、短所や欠点を改めてよくすることである。 楽器の歴史をふりかえってみるとすぐに気づくことだが、改良の試みは、演奏家や楽器製作者によって常におこなわれてきた。 したがって世界のすべての楽器は、大なり小なり改良楽器であるとも言える。 しかし、今回この展示でとりあげた「改良楽器」は、以下にあげる特別な視点から見た改良楽器の特集で、 これらを「改良」前の楽器と比べてみるという試みである。

・音楽取調掛作成楽器を含む教育用楽器
 明治十年代に提唱されさかんにおこなわれた各種の改良運動の一環としての「改良楽器」が対象。 明治12年(1879)に設置された音楽取調掛では、長唄など歌詞改良を中心とする俗楽改良が推進され、 和楽器の改良もいくつかこころみられた。
 展示例:改良胡弓、改良月琴ほか

・近代化とコンソート
 非西欧諸国では近代化時期に、伝統楽器の音域と音量拡大、十二平均律化がすすみ、 西欧オーケストラを模した伝統楽器のアンサンブルも作られた。 ことに旧ソ連とこれを模範とした社会主義圏では、民族主義につらなる民族器楽アンサンブルが一時代を築いた。
 展示例:バラライカ、ドンブラ、ルボブ等(旧ソ連邦圏)、二胡、革胡、大型二胡(中国)、 各種モリンフール(モンゴル)、有鍵気鳴楽器類(中国、北朝鮮)

・地域変遷
 交易や戦争のため特定地域から他地域に伝わり、現在では線状に分布する同属楽器群がある。 演奏法やジャンル、演奏者の経済状況など諸因がかさなり、弦や駒、柱(じ)、共鳴胴の材質や大きさ、弦数やリード数などに変遷がみられる。
 展示例:長頚撥弦ビワ属、箱型コト属(西アジアを起点とした中央アジア、南アジア)、 三味線類、短頚ビワ属、コト属(中国を起点 とした東アジア)、チャルメラ属(西アジアを起点とした全世界)

・既存楽器の模倣や復元、創作
 インドやイランのヴァイオリンのように、西欧の楽器が非西欧の伝統音楽にとけこんだ例は少なくない。 また、あらたな民族文化を再構築するために、伝説や神話、過去にほろびた音楽伝承を復元と称して創作することもままある。 これらも広義の改良として紹介する。
 展示例:タヨー(ビルマ)、ホシュタル(ウイグル)、バーブル・ギジャック(ウズベキスタン)、お鈴(日本)

・自動楽器
 楽器製作の一方向として、人間が介在する必要のない自動演奏楽器がある。
 展示例:オルゴールほか

【楽器紹介と実演のお知らせ】
(いずれも2:00から30分間の予定です)

10月23日(土) 曹俊■(笙)
10月26日(火) 武田守永 (尺八)
10月28日(木) マウンマウン・ゾーテッ (サウンガウ)
10月29日(金) 毛Y (古箏)
10月30日(土) ジャワガムランクラブ (ガムラン)
11月02日(火) チ・ブルグド (モリンフール)
11月03日(水) アイティムラーティ・トルハリ(ドンブラ)

主催: 東京藝術大学音楽学部・小泉文夫記念資料室・東京藝術大学大学美術館
共催: 東京藝術大学音楽学部同声会
協力: キングレコード株式会社
<問い合わせ>
ハローダイヤル:03-5777-8600
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