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チューリッヒ芸術大学+東京藝術大学 国際交流展
「半解をただよう、半壊をあるく、半開のあいだ」


会期: 2015年10月6日(火)−10月20日(火)
午前10時 - 午後5時(入館は午後4時30分まで)
会期中無休
会場: 東京藝術大学大学美術館 陳列館1階、2階
観覧料: 無料
主催:東京藝術大学+チューリッヒ芸術大学国際交流プロジェクト実行委員会
助成:公益財団法人野村財団、東京藝術大学芸術国際交流基金
後援:在日スイス大使館
協力:シャレー スイス ミニ

「半解をただよう、半壊をあるく、半開のあいだ」

思い返してみれば、私たちの理解は、まさに「半解」※1のようなものではないか。完全な理解の不可能性を言いあらわす言説は数多く、ここでもう一度説明する必要はないだろう。だが多くの場合に言えるのは、自己と他者の関係を問題化したとき、「理解することはできないが、それでも言葉をつくそう。」という悲劇的な楽観主義に陥りがちだということである。
しかし、結論を下す前にもう一度考えておこう。「半解」とは、そんなに悪いことだろうか?私たちは「理解」というものに、過度な理想像を押しつけてしまってはいないか?
正直に言えば、本企画も当初はチューリッヒ芸術大学と東京藝術大学の学生間交流や、文化的な隔たりがある学生間の相互理解を目的としていた。しかし交流プロジェクトの過程で生まれてきたのは「齟齬」であり、「誤解」であり、「認識のズレ」だった。
ただ、考えてみてほしい。不可解な存在こそが他者であると思い直すとき、それを目の当たりにすることは、コミュニケーションにおける最も刺激的で、心踊ることではないだろうか。時にそれは、自分自身を変えてしまうかもしれないのだから。
そこで陳列館における展示においては、私たちの交流活動における「半解」の軌跡を再現するとともに、その過程で発見した「気付き」をもとにして、各人が作品を展示する。その一つ一つが指し示すものは、微妙にずれ、もしくは微妙に重なっているかもしれない。作品、パフォーマンスやイベントは会期中に少しずつ追加され、まざりあい、空間にそれぞれの作品を重ねてゆく。
それゆえ、今回の展覧会では、個々の作品と同時に作品相互の異動をこそみるべきである。多くの思惑と意図の入り組んだ(そして時に食い違った)作品群のなかから、何を見出すことができるだろうか。その糸をほどくのは、ほかでもない鑑賞者である。
よって、何か明文化できるテーマはこの展示にはない(と、ひとまずは言っておこう)。そうではなくて、すれ違いや誤解の豊かさに出会い、その中で他者の、あるいは自分自身の他者性に気づくこと、予想外の価値観と出会うことが、ほかでもなくこの展示の目的なのである。
すべての関係性というものには、理解し、壊れ、開き、きらないからこその幸せがひそんでいるのだ。

※1半解…物事の一部分のみを知るだけで、全体を理解しないこと。ききかじり。

【参加者】
[チューリッヒ芸術大学]
Alina Asalkhanova, Brigham Baker, Flavio Cury, Gael Sapin, Henrik Hentschel, Johanna Grunenfelder, Katherine Patino Miranda, Maria Pomiansky, Michael Bodenmann, Natalie Meister, Roland Regner, Ulrich Gorlich

[東京藝術大学]
新井麻弓、飯岡陸、井上潤美、上竹真菜美、大橋文男、岡本羽衣、木原天彦、郷治竜之介、小林のんき、小山穂太郎、しばたみづき、須藤栞奈、高津戸優子、竹之内芙美、竹久万里子、林頌介、福島沙由美、村田啓、ホワイトパナキ(田岡美紗子+堀内悠希)、村井文香、吉野はるか、デニス・リンダ

問い合わせ: ハローダイヤル03-5777-8600
公式サイト: http://tokyogeidai-zhdk.tumblr.com/
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