第9回「Dior Photography and Visual Arts Award for Young Talents」において、本学大学院美術研究科修士課程絵画専攻(油画)2年の武信朱璃(たけのぶ あかり)さんが最優秀賞を受賞しました。また、同じく本学大学院美術研究科修士課程先端芸術表現専攻2年のYUAN CHENさんも、世界中から選ばれたファイナリスト10名の中に選出されました。
【最優秀賞(Winner)】?受賞者?武信 朱璃(大学院美術研究科修士課程絵画専攻(油画)2年)?

武信朱璃《Threshold》展示風景
撮影:Andrea CENETIEMPO for Parfums Christian Dior
作品名 Threshold
作品概要?
本作で私は、「私」と、精霊や幽霊としばしば称される「不可視の他者」とのあいだにある境界を探索している。両者を分かつ客観的な違いのひとつは、肉体という物質性の有無にある。
私は自らの身体を写真に収め、その物質性を剥奪する。像へと変換された身体を切断し、分解し、再構成することで、身体は一度擬似的な「死」を迎える。断片は再び人体のような形をとるが、それはもはや元の私ではない——可視でありながら物質を欠き、存在しながら実体を持たない「何か」である。
私はこの消失と再獲得の操作を、不可視の領域へ接近するための疑似実験と位置づけている。実在の有無を問わず、「わからなさ」を宙づりにしたまま、世界の構造へ接近する。私の制作は、自己という形式を解体することで、固定化された世界の現れ方に亀裂を入れる実験である。
指導教員(小瀬村真美教授コメント)
武信朱璃さんは、学部の頃より「見えないものの存在を可視化もしくは交信するための方法論」として、心理領域に触れる内容を歴史的事実や具体的な行為に落とし込んで制作を続けてきました。カメラや写真を使用した制作もその延長線上にあります。今回、その彼女のアイデアや制作を大変高く評価していただき、嬉しく思っております。制作や受賞にあたっては本研究室だけでなく、写真センターの先生方をはじめ多くの皆様にお力添えをいただいて参りました。担当教員として改めてお礼申し上げます。
【ファイナリスト(Finalist)】?選出者 YUAN CHEN(大学院美術研究科修士課程先端芸術表現専攻2年)
| Dior Photography and Visual Arts Award for Young Talentsとは 本プロジェクトは、ファッションブランドのディオールが、現代アートや文化の複合施設であるLUMA-Arles、およびフランス?アルルにある国立高等写真学校(ENSP)との提携により創設した国際的なコンペティションです。若い写真家の創作活動や、ビジュアルアーツに対する支援を目的としています。 本学を含む世界20校以上の美術?写真学校に所属する学生および卒業生を対象としており、今回は「Face to Face」をテーマに作品が募集されました。著名な審査員による厳正な審査を経て、世界中から選出された10?12名のファイナリストの中から、最優秀賞者1名が決定されます。 Dior社プレスリリース 「Dior Photography and Visual Arts Award for Young Talents」公式ページ |
ファイナリスト作品の展示について
最優秀賞を受賞した武信さんを含むファイナリストの作品は、写真の聖地として知られる「アルル国際写真フェスティバル」の会期に合わせ、フランス?アルルのLUMA-Arles内「La Lampisterie」にて、10月4日まで展示されます。